階層構造と創発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/25 21:43 UTC 版)
マイケル・ポランニーは「子供(上位)の階層は、親(下位)の階層にない独自の特徴を備えている」という性質によって起きる複合的現象を見いだし「創発」と名付けた。 ポランニーは「世の中の至る所に幾重にもなった階層が無数に存在する」として、この意味での階層構造の仕組みを「層の論理」と呼んだ。さらに、あらゆる事物の作動原理には制御できない自然法則だけでなく、常にプラスアルファの制御可能な「余白(マージン)」が伴いうる事を見いだし、この余白に対してのみ、その上位階層からの制御が行なわれうるとした。これを敷衍すると、ある階層で下位の階層の余白を埋めた場合、それをさらに上位から見れば、下位で埋められている余白はもはや制御できない自然法則と変わらず、またさらに制御しうる新たな余白が見いだせる、という繰り返しとなる。 この「上位から見た下位の制御可能な余白要素」のことをポランニーは「境界条件」(boundary condition もしくは marginal condition)と名付け、この制御の仕組みを「境界制御」(boundary control もしくは marginal control)と名付けた。 これらの概念は1950年代に著書『個人的知識』『暗黙知の次元』で『暗黙知』理論とともに提唱された。
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