除染措置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 06:33 UTC 版)
被害の拡大を阻止するため、ウォーム・ゾーンとコールド・ゾーンの間で除染措置 (DECON) を厳密に行うことが必要となる。除染を行う除染エリアは、現場 (ホット・ゾーン) を取り囲むウォーム・ゾーンの外縁部、および、被災者の治療を行う医療機関の進入口に設けられる。地下鉄サリン事件で見られたように、都市型CBRNE災害においては、行動可能な被災者が個々に医療機関に向かうことが想定されるため、後者は特に重要である。 除染措置は、以下の段階を経てすすめられる。 ゲート・コントロール 除染エリアおよびコールド・ゾーンの秩序を守るためのものである。被災者とそれ以外(通常の患者や職員)を区別し、被災者に対して除染措置の必要性を説明して、除染前トリアージに誘導する。病院敷地外縁部と、病院建物の出入り口にそれぞれ設けられ、敷地外縁部のゲート・コントロール要員はレベルCのPPEを着用する。 除染前トリアージ (Pre DECON triage) 除染措置の要・不要を判別するためのものである。放射線検出器によって放射能の有無を確認するほか、医師による判定が行なわれる。要員は、基本的にレベルCのPPEを着用する。 除染 危険物・汚染物を除去するためのものである。除染手段には下記の3種類がある。乾的除染 (脱衣)脱衣のみで75〜90%の危険化学物質が除去されるとも言われている。 水除染 (脱衣とシャワー)温水、洗剤およびスポンジによって洗浄する。開放創を最優先とし、また洗眼も重要である。 拭き取り除染 また、患者の全身状態に応じて、除染を立位で行う場合と、臥位で行う場合がある。どのような手段・体位で除染を行うかは、除染前トリアージにおいて医師が決定する。 立位での水除染。実際には完全脱衣で行う。 臥位での水除染を準備する対処要員。
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