銀-塩化銀電極
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/08 15:13 UTC 版)
銀-塩化銀電極(ぎんえんかぎんでんきょく、英: silver-silver chloride electrode)は、電極として銀と塩化銀を用いる基準電極である。一般的な構造は、銀の表面を塩化銀で覆い、それを塩化物水溶液中に浸したものである。塩化物水溶液としては一般的に飽和塩化カリウム水溶液が用いられる。構造が単純で取扱が容易であり、電位の再現性も良いため、近年最も広く利用されている基準電極である。 銀-塩化銀電極の電極反応は AgCl + e − ↽ − − ⇀ Ag + Cl − {\displaystyle {\ce {AgCl + e^- <=> Ag + Cl^-}}} その電極電位はネルンストの式により E = E ∘ − R T F ln a C l − {\displaystyle E=E^{\circ }-{\frac {RT}{F}}\ln {a_{\mathrm {Cl} ^{-}}}} ここで、 E {\displaystyle E} は銀-塩化銀電極の電極電位 E ∘ {\displaystyle E^{\circ }} は銀-塩化銀電極の標準電極電位 R {\displaystyle R} は気体定数 T {\displaystyle T} は絶対温度 F {\displaystyle F} はファラデー定数 a C l − {\displaystyle a_{\mathrm {Cl} ^{-}}} は塩化物イオンの活量 上記より、銀-塩化銀電極の電極電位は温度やCl−の濃度に依存することがわかる。 銀-塩化銀電極(飽和KCl)の電極電位は+0.199 V (vs. SHE、25℃)である。 銀-塩化銀電極を基準にして測定されたことを表すために、測定された電位の後ろに(vs. Ag/AgCl)等と付記されることがある。
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