銀と白
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/16 19:09 UTC 版)
「アージェント (紋章学)」の記事における「銀と白」の解説
白で銀を置き換えることができることは先に述べたとおりであるが、アーサー・チャールズ・フォックスデーヴィス (Arthur Charles Fox-Davies) は自身の著書『紋章学の芸術 紋章百科事典 (The Art of Heraldry: An Encyclopaedia of Armory) 』で、極めて稀に白が原色としてアージェントとは別に紋章学的に独立したティンクチャーとして存在したと主張した。 彼は、イギリス王室の個々人の紋章に違いをつけるのに用いられる「ホワイト・レイブル(右図の4つの紋章の上方にある3つ又は5つの垂れがある白い帯)」をこの論の根拠としている。しかし、これらは「ホワイト・レイブルというプロパー(自然色)」だと見なすことができると反論され、白がイギリスの紋章学におけるティンクチャーの1つであるという主張は否定された。なお、紋章学におけるレイブルとは、馬の胸の前にかけられる、鞍についている吊り飾りのついた帯を抽象化したものを示している。 ポルトガルの紋章学では、白は銀とは異なるティンクチャーと考えられているようである。そのことはポルトガルのサンティアゴ・ド・カセム (Santiago do Cacém) 地方の紋章で明らかである。その紋章では、倒れているムーア人の衣服と騎士が乗る白馬の白色の部分は遠くに見える城の銀色とは別の色として描かれている。紋章学の原則に則れば、どちらも白にするか、どちらも銀色を示す灰色にすべきである。
※この「銀と白」の解説は、「アージェント (紋章学)」の解説の一部です。
「銀と白」を含む「アージェント (紋章学)」の記事については、「アージェント (紋章学)」の概要を参照ください。
- 銀と白のページへのリンク