鉄分の役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:41 UTC 版)
鉄の生物学的役割は非常に重要である。赤血球の中に含まれるヘモグロビンは、鉄のイオンを利用して酸素を運搬している。ヘモグロビン1分子には4つの鉄(Ⅱ)イオンが存在し、それぞれがポルフィリンという有機化合物と錯体を形成した状態で存在する。この錯体はヘムと呼ばれ、ミオグロビン、カタラーゼ、シトクロムなどのタンパク質にも含まれる。ヘモグロビンと酸素分子の結合は弱く、筋肉のような酸素を利用する組織に到着すると容易に酸素を放出することができる。 フェリチンは鉄を貯蔵する機能を持つタンパク質ファミリーである。その核は鉄(Ⅲ)イオン、酸化物イオン、水酸化物イオン、リン酸イオンからなる巨大なクラスター(オキソヒドロキソリン酸鉄)で、分子あたり4500個もの鉄イオンを含む。 おもな鉄含有タンパク質タンパク質名1分子中の鉄原子数機能ヘモグロビン 4 血液中のO2輸送 ミオグロビン 1 骨格筋細胞中のO2貯蔵 トランスフェリン 2 血液中のFe3+輸送 フェリチン 4500以下 肝臓、脾臓、骨髄などの細胞中でのFe3+貯蔵 ヘモシデリン 103 - 104 Feの貯蔵 カタラーゼ 4 H2O2の分解 シトクロムc 1 電子移動 鉄-硫黄タンパク質 2 - 8 電子移動
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