金相場会所とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 表現 > > 金相場会所の意味・解説 

きんそうば‐かいしょ〔キンサウばクワイシヨ〕【金相場会所】

読み方:きんそうばかいしょ

江戸時代、主に金為替銀為替売買を行うために大坂設置され取引所。ここでの交換比率標準相場となった


金相場会所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/03 15:35 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

金相場会所(きんそうばかいしょ)は、江戸時代寛文年間から1868年慶応4年)5月まで、の相場を建てるために大坂に設けられていた会所

概略

江戸時代、江戸遣、上方遣といわれ、金銀の相場は難しい問題であった。幕府1700年元禄13年)に、金1につき銀60、またについてはこれより古くから、1609年慶長14年)に金1両に4貫文と定めていたが、後の寛永通寳はこの鐚銭同様の金1両に銭4貫文と定められた。しかし、需給関係で公定相場通りにはいかず、自ずから金相場、銀相場がたてられることになった。

金相場会所は、古くは金相場所(両替屋所、金銭売買立会所とも)といい、高麗橋筋にあったが、1743年寛保3年)から北浜1丁目に移った。

金相場をたてるには、本両替屋の相場役が会所に集まって行った。この金銭売買が公許されたのは、1725年享保10年)9月のことである。

同じ両替屋でも、南両替屋、銭両替屋などは会所に行って参観することができたが、自分が場に立って相場をたてることは、本両替屋の相場役に限られた。立会はほとんど年中無休で、休日は、正月三が日五節句くらいであった。

相場の方法

相場をたてる方法はほとんど米相場と同じで、毎朝四つ頃に、拍子木を打って開門を知らせると、門前の休憩所に待っていた相場役が入場して、立会を始める。十人両替の名代は、高場から場内を監視し、かつ売買を記帳する。立会は半刻か1刻で、拍子木を打って終了を知らせる。それでも立会をやめないときは水をかける。拍子木を打ったり、水をかけたりする雇人は、水方(みずかた)という。

銭相場は、金相場が終了してから行う。立会の方法は金相場と同様である。

金銭相場のたてかたは、金1両または銭1貫文を買うのに、銀何十匁何分何厘を要するかという意味で、双方とも銀目で呼ぶ。立会開始のときの相場を「寄付値段」、終了のときの相場を「引方値段」、1日中の最高最低値段の平均を「中値段」という。立会が終了すると、当日の相場を黒塗りの板に書いて、高場に掲示する。両替屋の手代は、さきを争ってこれを写しとり、めいめい得意先に行って、その店の相場帳に記入する。

売買においては、売方は売り一方、買方は買い一方であり、一人で両方はできない。相場は金1両でたてるが、売買高は100両以上に限る。売買は即日かぎりで、また通用金に限る。ただし、通用金以外の古金の売買も行ったが、これは外物、打物といった。

江戸への送金為替、いわゆる江戸為替の売買をもこの会所で取り扱ったが、これらは立会閉鎖後、二番で行った。

印金

上述のように、金相場会所は正金を売買するだけで、受け渡しは即日限りであったが、いつのまにか印金(しるしきん)という、小判の定期売買を試みる者が出てきた。しかし、これは表向きには許されていなかった。

その方法は、あらかじめ売買の宿を定めておいて、売買両者から敷銀を宿主に供託し、日限を定めて小判の値段をたて、売買証書を作成する。約束の日限になると、そのときの相場と比較して、その差金を敷銀から支払い、勝負を決し、宿主には売買両者から口銭を出すというものである。

印金の売買は、寛文年間以来しばしば禁じられた。ただし、1763年(宝暦13年)に、冥加金1500両を上納して、大阪に金銭延売買会所を設立することを請願した者もいたという。その後、許可されることとなった。

会所は、北浜1丁目浜(金相場会所構外)と南本町1丁目にあり、仲間は200余名であった。この仲間は「延屋仲間」といい、本両替屋とはまったくの別物で、売買の主眼は相場変動による差金の授受である。

相場の高下に、一定の制限(2 - 3匁という)をつけ、これ以上、または以下となったときは、上流(うわながれ)、下流(したながれ)といった。

また、生相場(うまれそうば)といって、限度までの差金を授受するにとどめ、ふたたび正金相場を標準とし、新たに延売買を開始した。これはあまり行われなかったらしく、たびたび冥加金を減額していたが、最後の請負人は、冥加金を1年35両にしてほしいと願っていたほどであった。1843年天保14年)に、一旦廃止された。その後、1867年慶応3年)12月に、再び設立を許されたが、1868年5月(慶応4年)に金相場会所とともに廃止された。




金相場会所と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「金相場会所」の関連用語

金相場会所のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



金相場会所のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの金相場会所 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS