量子力学的遮蔽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/09 03:29 UTC 版)
実際の金属中では、電場の遮蔽はトーマス=フェルミ理論で説明されるよりもはるかに複雑である。これは、トーマス=フェルミ理論では運動電荷(電子)がどんな波数に対しても応答すると仮定しているためである。しかし、フェルミ面上もしくはそれよりも下に存在する電子は、フェルミ波数よりも短い波数にしかエネルギー的に応答することができない。これは、空間的に細かく変動する関数をフーリエ級数で近似するには多数の項が必要になるという、ギブズ現象に関連がある。物理学ではこれはフリーデル振動と呼ばれ、表面遮蔽にもバルク遮蔽にも適用できる。どちらの場合でも電場は総体として空間的に指数関数的にではなく、反比例関数に振動項をかけた形で減衰する。多体物理学(英語版)の分野では、固体物理学との関連から量子力学的遮蔽に関して多くの労力が費やされている。
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