重力による位置エネルギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 01:14 UTC 版)
「位置エネルギー」の記事における「重力による位置エネルギー」の解説
詳細は「重力ポテンシャル」を参照 地表付近において、質量が m の物体が基準面から h だけ高い位置にあるとする。その物体が持つ位置エネルギーは、重力加速度を定数 -g とおくと { f = − m g } ⟶ U ( h ) = − ∫ 0 h ( − m g ) d r = m g h {\displaystyle \left\lbrace f=-mg\right\rbrace \longrightarrow U(h)=-\int _{0}^{h}(-mg)dr=mgh} で表される。 上式は万有引力による位置エネルギーの地表付近での近似である。万有引力の位置エネルギーUは、地球の質量を M、万有引力定数を G とすると、地球の中心から距離 r 離れた質量 m の物体について { f ( r ) = − G M m r 2 } ⟶ U ( r ) = − ∫ ( − G M m r 2 ) d r = − G M m r + C . {\displaystyle \left\lbrace f(r)=-G{\frac {Mm}{r^{2}}}\right\rbrace \longrightarrow U(r)=-\int \left(-G{\frac {Mm}{r^{2}}}\right)\,dr=-G{\frac {Mm}{r}}+C.} ただし、位置エネルギーの基準点は(積分定数Cとして)任意に決められるが、通常は万有引力が零となる無限遠を基準とする。 今、地表から h だけ高い質量 m の物体の位置エネルギーを考える。地球の中心から地表までの距離を R とすると、地球の中心から物体までの距離は R+h となる。前式に代入すると、 U = − G M m R + h {\displaystyle U=-G{\frac {Mm}{R+h}}} となる。地表を基準にするために、地表での位置エネルギーを引くと、 E = − G M m R + h − ( − G M m R ) {\displaystyle E=-G{\frac {Mm}{R+h}}-\left(-G{\frac {Mm}{R}}\right)} 第1項をテイラー展開し、2次以降の式は小さいので0と見なして省略すると E = − G M m R + G M m R 2 h − ( − G M m R ) {\displaystyle E=-G{\frac {Mm}{R}}+G{\frac {Mm}{R^{2}}}h-\left(-G{\frac {Mm}{R}}\right)} となり、第2項の G M R 2 = G M m R 2 1 m = F m = m g m {\displaystyle G{\frac {M}{R^{2}}}=G{\frac {Mm}{R^{2}}}{\frac {1}{m}}={\frac {F}{m}}={\frac {mg}{m}}} (Fは地表の物体にかかる力) は地表付近の重力加速度 g だから置き換えると、 E = m g h {\displaystyle \mathbf {} E=mgh} となる。
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