都市間のライバル意識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 23:31 UTC 版)
「ノースウェスト・ダービー」の記事における「都市間のライバル意識」の解説
両クラブのライバル意識は産業革命期に既に存在していたと考えることもできる。当時、マンチェスターは優れた技術を用いた工業都市として有名であり、一方でリヴァプールは重要度の高い港湾都市として有名であった。「マンチェスターが作り、リヴァプールが売る」という言葉が流行ったように、両都市は互いに共存関係にあり、イングランド北西部の盟主の座を互いに競い合っていた。 しかし、1894年に無謀とも言われた世界最長の人造運河、マンチェスター運河(Manchester Ship Canal)が開削され、大型船がリヴァプールの街を飛び越えて直接マンチェスターに積み荷を届けることが可能になった。運河の完成は貿易におけるリヴァプールの地位低下を意味し、結果的に港湾地区での仕事が減ったため、リヴァプールの人々の間でマンチェスターの人々への敵意が芽生えていくようになった。歴史家は一般的に、両都市にライバル意識が生じたターニングポイントを運河の完成であるとみなしている。 ユナイテッドのエンブレムには運河を航行する船が描かれており、マンチェスターの貿易のルーツを映している。この船はマンチェスター市議会やマンチェスター・シティなどマンチェスターの多くの組織のエンブレムにも含まれている。1970年代から1980年代にかけて繊維製品の需要低下が直撃すると、イギリス国内全体の工業の衰退にともなって両都市は衰退したが、その後両都市は再び発展して成功を手にし、今やマンチェスターは世界都市であると認識されている。近年では、マンチェスターは2002年にコモンウェルスゲームズを開催し、リヴァプールは2008年に欧州文化首都に選ばれた。
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