遺産と継続性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 16:15 UTC 版)
剣さばきの秘訣は、数人の優遇されていた弟子(石川主税、青木城右衛門、竹村与右衛門、松井宗里、古橋惣左衛門)に限定された特権ではなかった。彼らは全員が優秀な剣士であった。 五輪の書 と 兵法三十五箇条 は、寺尾兄弟への贈答として贈与されたが、実際に各弟子に伝えられたのは、生と死という不可解な問題を、断固として明らかにしたいと言う自身の決意だった。 そのような精神的な遺産を背景に、巨匠の教えによって、独自の規則、証明書、卒業証書を備えた実際の学校が生まれることはできなかった。武蔵は自分の技術を教えたり助言を与えることができたが、最終的に自分の力を測り、自分の道を評価し、そのために自分自身を適応させてゆくのは生徒自身の責任だった。よって、武蔵流は今日でも教えられているが、実際の内容は、二天一流の創設者と同時に姿を消したのであった。それ以外にどのような可能性があっただろう?柳生利厳は、尾張で教えたとき、こう宣言した: 「武蔵の剣さばきは、武蔵のみが可能な技で、他の誰も、武蔵同様に優れた剣使いをすることは不可能なのだ。」
※この「遺産と継続性」の解説は、「宮本武蔵」の解説の一部です。
「遺産と継続性」を含む「宮本武蔵」の記事については、「宮本武蔵」の概要を参照ください。
- 遺産と継続性のページへのリンク