遺伝子発現におけるクロマチンの役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 06:56 UTC 版)
「クロマチン」の記事における「遺伝子発現におけるクロマチンの役割」の解説
クロマチン構造は遺伝子発現の調節に関与している。 例えば、遺伝子の発現・抑制を制御する機構のひとつとしてヒストンの翻訳後修飾が知られている。ヒストンは強い塩基性のタンパク質であり、酸性のDNAとの高い親和性を示す。それぞれのコアヒストンは球形のカルボキシル末端と、決まった構造をとらないアミノ末端(ヒストンテール)から構成されている。ヒストンテールはアセチル化、メチル化、リン酸化、ユビキチン化といった様々な化学修飾を受けることにより、遺伝子発現など様々なクロマチン機能の制御に関わる(ヒストンの項参照)。複数の修飾の組み合わせがそれぞれ特異的な機能を引き出すという仮説は、ヒストンコード仮説と呼ばれている。 一方、ATP依存的にヌクレオソーム構造を変化させる活性が知られており、この活性を担うタンパク質複合体は、クロマチン・リモデリング複合体(chromatin remodeling complexes)あるいはヌクレオソーム・リモデリング複合体(nucleosome remodeling complexes)と呼ばれる。クロマチン・リモデリング複合体はヒストン修飾酵素と協調して、クロマチンのダイナミックな構造変換とそれに伴う機能制御に関わる。
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