選挙をめぐる論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/12 12:58 UTC 版)
「イラン大統領選挙 (2005年)」の記事における「選挙をめぐる論争」の解説
第1回投票ののち、第1回中間集計で首位となったものの、最終的に第3位にとどまった穏健現実派メフディー・キャッルービーらは、モスク組織、イスラーム革命防衛隊、バスィージ、がアフマディーネジャード支持のために違法な動員をおこなったと非難した。これについてキャッルービーは最高指導者・アリー・ハーメネイーの息子モジュタバー・ハーメネイーが介入したと明確に主張。これに対してアーヤトッラー・ハーメネイーはキャッルービーに書簡を送り、右の発言はキャッルービーの威信を傷つけ、イランに危機をもたらすものであり、容認できないと述べた。キャッルービーは書簡を受けて、ハーメネイーによって任じられた最高指導者顧問、公益判別会議議員を含む全ての公職の辞職を表明した。翌6月20日の「エグバール」、「ハヤーテ・ノウ」、「アフターベ・ヤズド」、「エッテマード」などの改革派各紙朝刊ではキャッルービーの主張を掲載していたため、テヘラン検察庁長官サイード・モルタザヴィーは朝刊の発行を差し止めた。 首位候補アクバル・ハーシェミー・ラフサンジャーニーも票を「誘導する」組織的で違法な介入が行われたとして、キャッルービーの申し立てを支持している。 また改革派政党イスラーム・イラン参加戦線を含む一部の政党は、アフマディーネジャードは監督者評議会に選任された選挙管理者による不正な支持と宣伝活動によって第2位になっただけであり、このような選挙法で中立を定められる選挙管理者のこのような行動は違法であると非難している。さらに改革派新聞「シャルグ」はイスラーム革命防衛隊最高指導者代理人モヴァッヘディー・ケルマーニーの「つつましく最低限を維持し、浪費しない者に投票せよ」との声明を指摘。これは明確にアフマディーネジャードを指すものであった。 これら多くの議論は監督者評議会の違法な活動を指摘している。選挙前に事前予測で唯一アフマディーネジャードを首位候補とする世論調査を発表したこと、選挙当日の投票進行中に部分的投票結果を発表したこと、内務省発表の部分集計でアフマディーネジャードが第3位であった時点で第2位としていたことなどである。これについてはハータミー大統領は数回にわたって内務省に赴いて確認し、また評議会にこれ以上いかなる部分集計も発表しないよう明確に要求している。
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