適用材料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 06:33 UTC 版)
高周波焼入れは、誘導加熱の原理を利用して加熱する処理であるので、非磁性体である銅などには適用できない。一般には、機械構造用炭素鋼や低合金鋼などに適用される。鋼に適用する場合も、通常の焼入れと同じく炭素量をある程度以上含んでいないと機械的性質の改善は小さい。一般には中炭素鋼以上から焼入れ焼戻し処理が適用される。通常の焼入れと同様に、最高焼入れ硬さは炭素量のみによって決まり、焼入れ深さは炭素量に加えたニッケル、モリブデンなどの添加元素量により決まる。 高周波焼入れでは加熱は急速加熱で行われるため、鋼中の炭素の拡散が不十分となりやすく、パーライト組織の鋼を高周波焼入れしても一般熱処理以下にしか焼入れ硬さが得られないことがある。しかし、ソルバイト組織の鋼に適用することで、パーライトの場合に比較して焼入れ硬さを大きく向上させることができる。そのため、あらかじめ調質(焼入れ+高温焼戻し)を行い、ソルバイト組織にしておいて高周波焼入れ適用することが推奨される。
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