道徳教育とその実践的課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/20 14:27 UTC 版)
「宇田川宏」の記事における「道徳教育とその実践的課題」の解説
道徳教育は、子どもの道徳性と、その中軸をなす人間的価値意識の形成を中心的課題とする。それを学校の教育活動の全体を通じてどのように展開するかが、これからの道徳教育の探求的課題となるだろう、と1980年代の初めに指摘した。また、1980年代までの研究成果として、道徳の授業の成立条件を5つに集約した。第1、道徳の授業の内容は、それが授業である以上、子どもがなにか新しい事実や世界を知るものでなければならない。第2、子どもが思考をめぐらして主体的に学習するような道徳の授業が成立するためには、資料(教材)はリアリティや発見のある、子どもの心を揺り動かすものでなければならない。第3、道徳の授業で学習が成立するためには、他の教科の授業と同様に、子どもの思考と発言の自由が保障されていなければならない。第4、道徳の授業は「価値意識や規範意識を教える」のではない(教えることはできないし、教えてはならない)。第5、第1から第4までのことにより道徳の授業が成立するのだとすれば、道徳の授業の目標・内容・方法を教師が自由に工夫できる教育の自由が必要になる。
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