過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、IBS(irritable bowel syndrome)とも略称され、腹痛あるいは腹部膨満感などの腹部症状と、下痢あるいは便秘などの便通異常を主体とする症状が、潰瘍や癌などが認められないにもかかわらず持続する消化管の機能的疾患です。国際的な診断基準(Rome II基準)によると、「腹痛あるいは腹部不快感が最近12ヶ月の中の少なくとも12週以上(連続でなくてもよい)生じ、しかもそれらの症状が、①排便によって軽くなる、②排便頻度の変化で始まる、③便性状の変化で始まる、の3つの特徴のうち2つ以上を伴うもの」と定義されています。便通の状態により、便秘型、下痢型、混合型に分けられます。精神的ストレスや環境の変化によって悪化することも知られています。有病率は人口の10-20%と高く、治療法として、生活指導、食事療法、高分子重合体や抗コリン薬などの薬物療法が挙げられますが、近年ではプロバイオティクスの効果が注目されています。
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