造り酒屋の一人息子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 20:38 UTC 版)
裕福な造り酒屋の一人息子として生まれ、祖母に溺愛され何の不自由もなく育ったため、我儘で頑固、偏屈で無愛想な性格であったと言われる。自分が丑年の生まれで子供の頃は牛が好きで、祖母にねだって様々な牛の玩具を買ってもらっていたが、それに飽き足らず、最後には本物の牛を買ってもらった。学生時代の夏休みに高野山の講義に参加したが、旅費として貰ったお金で『樗牛全集』を買ったり、泊まった旅館で気を良くしてチップを渡しすぎるなどし、「万一の時のために」と着物に縫い込んでもらったお金までも使い果たし、帰りの汽車賃が足らなくなってしまった。仕方がないので残りのお金で行けるところまで行き、そこで持っていた『樗牛全集』を古本屋に売り旅費に充てた。家に戻ってからもう一度『樗牛全集』を買ってもらったのは言うまでもない。このような環境や性格が、後の百閒の独特の論理や考え方、作品や生活に影響を及ぼした。また「官僚趣味」であるとも公言し、この好みのためか、秩序の破壊と復讐を行った赤穂浪士が大嫌いだとも書いている。
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