通り雨の演出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 05:25 UTC 版)
「1993年日本グランプリ (4輪)」の記事における「通り雨の演出」の解説
プロストとセナの過去のフロントロー対決(1988年・1989年・1990年)は、いずれもポールシッターのセナがスタートで出遅れる展開だったが、今回は逆に予選2位のセナがプロストを抑えて1コーナーに飛び込んだ。セナは苦手としていた鈴鹿でのスタートでも決めるべく、フリー走行ではそれを想定したライン取りで走り込んでライン上の埃を払い落としていたのであった。ハッキネンに続いてベルガーがシューマッハを抜いて4位に上がり、2コーナーではアーバインがシューマッハとヒルをアウト側からかわして5位へジャンプアップした。 アーバインはシューマッハ、ヒル、鈴木亜久里に抜かれて8位に後退し、ベルガー、ヒル、シューマッハの4位争いが過熱する。11周目、ヒルがシケインでベルガーに仕掛けた際、後方のシューマッハと接触し、シューマッハはフロントサスペンションが壊れてリタイアした。 14周目、セナが最初のタイヤ交換のためピットインし、プロストがトップに立った。マクラーレンの2ストップ作戦に対して、プロストはワンストップの予定と戦略が分かれた。 スタート時は晴天だったものの、西の鈴鹿山脈から黒雲がサーキットを覆い、大粒の雨が降り始めた。ウェットコンディションを得意とするセナはピットインの遅れを挽回し、21周目にスプーンカーブ手前の200Rでプロストをかわした。両者はその周の終わりに、レインタイヤに交換するため同時にピットイン。セナはスムーズに作業を終えてピットアウトしたが、プロストはフロントタイヤの交換に手間取った上に、3位ハッキネンのピットインと重なったことで余分にタイムロスし、コース復帰時にはセナに大差をつけられた。ヒルもパンクでピットインしてから再びレインタイヤに交換しており、ウィリアムズは今季何度か見られたウェットレースでの混乱を再現してしまった。 鈴木亜久里は午前のウォームアップ走行で2番手タイムを記録し、決勝でも一時は5番手を走行していたが、レインタイヤ交換後にピット出口でスピン。29周目にも2コーナーで再びスピンしてリタイアとなった。片山右京もエンジンブローで27周目にストップした。
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