近年の生産と消費
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/28 05:57 UTC 版)
台湾では、2008年の時点で台湾煙酒公司(中国語版)によって年間14,000石(2,520kL)の日本酒が製造されている。その他、霧蜂郷農舎など100石(18kL)程度の小規模な生産を手掛ける一般企業や農業組合の運営する酒蔵も存在し、日本の酒造メーカーの指導を受けながら日本酒を生産している。近年は純米吟醸酒など高級な商品も製造されている。2008年の台湾の日本酒生産量は、日本国外では大韓民国、アメリカ合衆国、中華人民共和国に次ぐ世界4位に相当する。日本に少量が輸出された年もあるが、ほぼ全量が台湾国内で消費されている。 台湾が輸入する日本酒の99%は日本からのもので、2017年の時点で年間1,985kL、金額ベースで9億4,800万円が輸入されている。日本にとって日本酒の輸出相手先としては台湾は金額ベースで第5位にあたり、台湾向けの農林水産物および食品の輸出品目の中でアルコール飲料は金額ベースで第2位となっている。なお、韓国やアメリカからの輸入はわずかであり、台湾煙酒公司製の廉価な日本酒が普及していることが影響していると見られる。 台湾のナショナルブランドの日本酒は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで600mlで150台湾元ほどで販売されている。小売店においては日本酒販売は置き売りが主流であり、高級品の回転率は低い。日本から輸入した日本酒は40%の関税もあって日本国内の2 - 3倍の価格で販売され、日本料理店に卸されるほか百貨店や酒専門店でも販売されている。2012年にJETROが行った調査によれば、日本酒購入時に台湾人が重視する項目は「味」が21%でトップとなる一方、「価格」は13%で他国に比べて高い割合となっている。また、日本料理店の顧客であっても35%が日本酒を飲まず、21%は「日本酒に興味がない」と回答している。
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