輸血

血液用語辞典

輸血 ( blood transfusion )

治療の目的で、同じ血液型の健康な人の血液を患者さんの血管内に注入すること。外傷や手術のときだけでなく、貧血、衰弱その他、重病状態にある患者さんに対して行われます。また、現在では血液全体の輸血（全血輸血）のケースは少なくなっており、多くは赤血球や血小板、血漿など、その患者さんにとって必要な各成分だけを抽出し、必要量だけを輸血する成分輸血が一般化しています。供給される血液も、献血時に行われる各種の検査によって、肝炎ウイルスやエイズウイルスなど感染の危険性のある血液は除去されており、輸血による新たな病気の発生は可能なかぎり阻止されるシステムになっています。まれな血液型や型不適合を起こす可能性のある成分などの場合は、あらかじめ本人から必要成分を採取し（自家血という）、凍結保存によって輸血時に備える工夫も行われています。