軍事行動の正当化要件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:30 UTC 版)
「保護する責任」の記事における「軍事行動の正当化要件」の解説
対応する責任(responsibility to react)としての保護する責任の遂行における、集団安全保障上の強制措置としての軍事行動は、例外的で特別な措置とされる。したがって、それらの行動が正当化されるには、具体的に次の6つの要件が満たされる必要がある。ただし、これら6要件は国連総会・安保理のいずれでも公式に採択されておらず、理念上の原則に留まっている。 正当な権限(Legitimate Authority) - 国連憲章第7章、第51条、第8章に基づくものでなければならない。 正当な理由(Just Cause) - 大規模な人命の喪失、又は大規模な人道的危機が現在存在し、又は差し迫っていること(人道的危機の急迫性)。 正当な意図(Right Intention) - 体制転覆等が目的でなく、体制が人民を害する能力を無力化することが目的でなければならない。 手段の均衡(Proportional Means) - 措置の規模、期間、威力などは、人道目的を守るために必要最小限でなければならない。 合理的見通し(Reasonable Prospect) - 干渉前よりも事態が悪化しないという、措置の合理的な成功の見通しがなければならない。 最後の手段(Last Resort) - 交渉、停戦監視、仲介など、あらゆる外交的手段および非軍事的手段を追求したうえで、それでも成功しないと考えられる合理的な根拠があって初めてとられる手段でなければならない。
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