超関数の非可換環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 14:04 UTC 版)
超関数の環は、関数 F = F(x) の平滑成分 Fsmooth と特異成分 Fsingular への射影を適当な方法で与えることによって構成することができる。すなわち、超関数 F, G の積は F G = F s m o o t h G s m o o t h + F s m o o t h G s i n g u l a r + F s i n g u l a r G s m o o t h {\displaystyle FG=F_{\mathrm {smooth} }\,G_{\mathrm {smooth} }+F_{\mathrm {smooth} }\,G_{\mathrm {singular} }+F_{\mathrm {singular} }\,G_{\mathrm {smooth} }} なる形で与えられる。このような規則を主となる関数空間とその上に作用する作用素空間の両方に適用するのである。こうして定義される乗法は結合性を持つものとなり、符号関数は平方が(座標の原点を含めて)至る所 1 であるような関数となるように定義される。ここで、(1) 式の右辺において特異部分同士の積となる項が現れないことに留意すべきである(このおかげで特にディラックデルタの平方は δ(x)2 = 0 を満たす)。この定式化は(積を考えない)通常の超関数論を特別の場合として含むものになっているが、構成される環は非可換になる(例えば、符号超関数とデルタ超関数とは反交換的である)。この代数の応用として提案されているものはほとんどなかった。
※この「超関数の非可換環」の解説は、「超関数」の解説の一部です。
「超関数の非可換環」を含む「超関数」の記事については、「超関数」の概要を参照ください。
- 超関数の非可換環のページへのリンク