贋作(がんさく)事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:16 UTC 版)
「ヨハネス・フェルメール」の記事における「贋作(がんさく)事件」の解説
詳細は「ハン・ファン・メーヘレン」を参照 トレ・ビュルガーがフェルメールの作品として認定した絵画は70点以上にのぼる。これらの作品の多くは、その後の研究によって別人の作であることが明らかになり、次々と作品リストから取り除かれていった。20世紀に入ると、このような動きと逆行するようにフェルメールの贋作が現れてくる。中でも最大のスキャンダルといわれるのがハン・ファン・メーヘレンによる一連の贋作事件である。 この事件は1945年ナチス・ドイツの国家元帥ヘルマン・ゲーリングの妻エミー・ゲーリングの居城からフェルメールの作品とされていた『キリストと悔恨の女』(実際には贋作)が押収されたことに端を発する。売却経路の追及によって、メーヘレンが逮捕された。オランダの至宝を敵国に売り渡した売国奴としてである。ところが、メーヘレンはこの作品は自らが描いた贋作であると告白したのである。さらに多数のフェルメールの贋作を世に送り出しており、その中には『エマオのキリスト』も含まれていると言うのである。『エマオのキリスト』は、1938年にロッテルダムのボイマンス美術館が購入したものであり、購入額の54万ギルダーはオランダ絵画としては過去最高額であった。当初メーヘレンの告白が受け入れられなかったため、彼は法廷で衆人環視の中、贋作を作ってみせたという。『エマオのキリスト』は、現在でもボイマンス美術館の一画に展示されている。
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