賭博型測定法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 03:31 UTC 版)
開発現場の経験から、測定法の設計によって測定対象となる人々の行動に一種の影響が出てくるとされている。よく言われるのは「測定したものしか得られない」(あるいは「何を望んでいるのかを忘れないように」)である。 よく知られている例はファンクションポイント法をソフトウェア開発工程の改善プロジェクトでの生産性の尺度に使った場合である。ファンクションポイント当たりのコストを低減する最も単純な方法は、ファンクションポイントをより細かくすることである。ファンクションポイントには標準といえる測定法がないため、測定法は一種の博打となる。つまりイカサマが行われる可能性が出てくる。時と共に恣意的にファンクションポイントを小さく分割していけば、測定された数値上は生産性が上がったかのように見せかけられる。 ある研究によれば、測定に際して目標を明確にして周知し、何をするのかを明確化すべきであるとしている。テスト駆動開発はこの考え方の一種の実践であり、開発者はテストを通ることを目的としてコードを書くことを求められる。それでもコードに誤りがある場合、それはテスト自体に誤りがあったということになる。測定法設計では、その賭博性を理解し、チームが正しい目標に向かって進むよう注意しなければならない。
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