記譜上の移高記号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 04:04 UTC 版)
8va、15maの記譜例 8vb、15mbの記譜例 西洋音楽の楽譜において、5線譜で標準的に使用される音部記号にとって非常に高い音や低い音を記したい時、加線が多くて見にくくならないよう、オクターヴ移高させる省略記号が使用されてきた。 音楽用語はイタリア語が公用語として普及していたが、 記譜音をオクターヴ移高させて奏する指示もイタリア語で表記される。8va という記号は、「(記譜よりも)1オクターヴ高く(演奏せよ)」という意味であるが、正式には8va altaとなる。8va とは ottava の略記であるが、イタリア語におけるottavoの女性型ottavaに、「高い」altoの女性型altaが適用されている。逆に、「(記譜よりも)1オクターヴ低く(演奏せよ)」という指示には、 8va が用いられることがあるが、ロマン派頃から誤解を防ぐためその表記は敬遠されるようになり、その後は8vbまたは8va bassaと表記され、これらはottavo bassoの女性型でottava bassaとなっている。 2オクターヴは16度(diciasettesimo)ではなく15度(quindecimo)となる。2オクターヴ移高させる指示の場合には、15ma altaまたは15ma、15ma bまたは15ma bassaと表記される。ただしメシアンをはじめとする同世代の作曲家たちは、8の2倍の数字としての見やすさを尊重し、あえてこれを16度と表記することもあったが、現代の殆どの作曲家たちは15度として記入する。16度として書き込む場合には、16ma altaまたは16ma、16ma bまたは16ma bassaとなる。 オクターヴ(八度)半音 インターバルクラス 平均律におけるセント 全音階に基づく名前 純正律における振動数比 純正律におけるセント 平均律と純正律のセント差 12 0 1200 cents 八度 1:2 1200 0 cents そのほかの音程 一度 - 短二度 - 長二度 - 短三度 - 長三度 - 完全四度 - 増四度 - 完全五度 - 短六度 - 長六度 - 短七度 - 長七度(英語版) - 八度
※この「記譜上の移高記号」の解説は、「オクターヴ」の解説の一部です。
「記譜上の移高記号」を含む「オクターヴ」の記事については、「オクターヴ」の概要を参照ください。
- 記譜上の移高記号のページへのリンク