親墨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 12:12 UTC 版)
親墨(おやずみ)は、建築物などに墨出しをする際の基準として最初に出す墨のこと。元墨(もとずみ)とも呼び、基準墨になる。柱や壁に記された芯墨などを親墨とするのが一般的である。躯体工事の基準となり、各階の土間スラブに必ず施工するうえでもっとも重要である。遣方建物位置出しの際に位置出しした基準通り芯を、地下工事から上棟まで、つねに鉛直方向に同一の基準通り芯を何度も墨出しする。これによって、各階において壁や柱が壁が出っ張ったり引っ込んだりせず、まっすぐに建てることができる。また、壁のタイルや窓、間仕切り壁なども平行かつ直角に配置され、設計図通りの建築物ができあがる。 墨打ちは風の影響を受けると撓んでしまうため、その場そのときの状況に合わせた施工をし、つねに直線を心がける必要がある。全ての基準になるため、高い精度が必要。一般的に墨出し専門業者がつける。親墨には陸墨と地墨があり、親墨に従い柱、壁、階段などの小墨を割り出していく。仕上げ工事の時期になると、親墨を基準にして各部所に仕上墨を出すものである。通常は通り心を表す墨を指すが,通り心の基準となる墨や,さらにその基準となる墨を指すことがある。
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