親和性のための設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/02 00:52 UTC 版)
「タンパク質設計」の記事における「親和性のための設計」の解説
タンパク質間相互作用は、ほとんどの生物学的プロセスに関与している。アルツハイマー病、多くのがん(TP53など)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症など、治療が最も困難な疾患の多くは、タンパク質間相互作用が関係している。したがって、このような疾患を治療するためには、相互作用のパートナーの1つに結合し、その結果、疾患の原因となる相互作用を破壊するタンパク質またはタンパク質様治療薬を設計することが望ましい。そのためには、パートナーとの親和性を持つタンパク質治療薬を設計する必要がある。 タンパク質の安定性を支配する原理は、タンパク質間の結合を支配するため、タンパク質間相互作用は、タンパク質設計アルゴリズムを用いて設計することができる。しかし、タンパク質間相互作用設計では、一般的なタンパク質設計にはない課題がある。最も重要な課題の1つは、一般に、タンパク質間の界面はタンパク質コアよりも極性が高く、結合には脱溶媒和と水素結合形成のトレードオフが伴うことである。この課題を克服するために、Bruce Tidorらは、静電的寄与に着目して抗体の親和性を改善させる方法を開発した。その結果、研究で設計された抗体の場合、界面の残基の脱溶媒和コストを下げることで、結合ペアの親和性が高まることを発見した。
※この「親和性のための設計」の解説は、「タンパク質設計」の解説の一部です。
「親和性のための設計」を含む「タンパク質設計」の記事については、「タンパク質設計」の概要を参照ください。
- 親和性のための設計のページへのリンク