親、あるいは他者による支配
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/22 18:10 UTC 版)
「利他的行動」の記事における「親、あるいは他者による支配」の解説
社会性昆虫など、子が親兄弟の世話をするタイプでは、親の側から見れば、子供に手伝わせれば自身の適応度が増加するので、例えばフェロモンなどによってこれを操って世話させる形質が進化したのだ、という説。ただしこれも被支配者の視点から見れば支配によって自己の適応度が低下するなら対抗適応が起きる(支配を回避する変異が起きれば、その変異は被支配者の適応度を上げるので急速に広まる)はずである。親子間に対抗適応の連鎖が起き、一方の支配が常に勝つと考えることはできない。 しかし実際には他者の支配を受けていると見られる事例は多く存在する。前述したように鳥のヘルパーでは血縁関係のない個体が子育てを手伝うことがあるが、これは結果的に利己行動か互恵的利他行動で説明可能なケースが多い。一方サムライアリが他のアリを奴隷として使役するような、支配的操作が成功しているように思われる例もある。このようなケースは被支配者がまだ抵抗手段を進化させていないか、あるいはごく希にしか起きないので対抗手段を進化させるメリットよりもデメリットの方が大きいなどの理由が考えられ、個体選択の視点から説明可能であると考えられている。
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