見かけの等級・絶対等級
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 04:33 UTC 版)
「等級 (天文)」の記事における「見かけの等級・絶対等級」の解説
星図や星座早見盤などに示された天体の等級は、我々が地球から観測して得られたの見かけ上の明るさによるもので、天体までの距離に依存している値である。天体の明るさは距離の2乗に反比例するため、明るさが同じ天体を10倍遠くに置くと見かけの明るさは5等級暗くなる。また、地球の大気や、対象の天体と地球との間に存在している星間物質による光の吸収などの影響も受けている。 この、観測者から見たときの明るさで示された等級を見かけの等級 (apparent magnitude、略号m) と呼ぶ。これに対して、天体を地球から10パーセク(pc、約32.6光年)の距離に置いたものと仮定したときの見かけの明るさで示された等級を絶対等級 (absolute magnitude、略号M) と呼び、天体の絶対的な明るさの指標として用いる。UBVシステムの各波長域はそれぞれmU, mB, mV、あるいは単にU, B, Vと表記される。例えば、太陽の見かけの等級は mv = -26.7等、絶対等級は Mv = +4.82等である。 地球から d パーセクの距離にある天体の見かけの等級 m と絶対等級 M の間には、 m − M = − 2.5 log 10 ( 10 2 d 2 ) = 5 log 10 d − 5 {\displaystyle {\begin{aligned}m-M&=-2.5\log _{10}\left({\frac {10^{2}}{d^{2}}}\right)\\&=5\log _{10}d-5\end{aligned}}} … (7) の関係がある。式 (7) から得られる、この見かけの等級と絶対等級の差 m - M は、特に距離指数と呼ばれる。ある天体の絶対等級を何らかの方法で見積もることができれば、距離指数を使うことでその天体までの距離を見積もることができる。
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