複合トリック説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 04:50 UTC 版)
上記の手法はどれも、一つだけですべてのハチソン効果を説明することはできない。そのため、ハチソンがトリックを用いて一連の映像を撮影したのだとすれば、これらの手法や未知のトリックを併用したものと考えられる。ビデオ内の映像にある物体が浮き上がる映像のうち、比較的軽い物体(牛乳パックやアルミホイルなど)については、映像上では物体の一点のみに力がかかり上に引っ張られているのが確認できる。これは細い糸などによる吊り上げによるものと考えられる。金属球など比較的重い物体が回転しながら浮上していくシーンでは、背後の壁に穴を開け、棒を突き出した先端に物体を取り付けて撮影したものと考えられる。証拠としてこの映像のときのみ、固定カメラでの撮影に切り替わっている(撮影はハチソンひとりで行われていたため、セットの背後に回って棒を操作するためには、固定カメラを使用せざるを得ない)。ポリ容器がふくれたりへこんだりする現象は、テーブルの下に穴を開けパイプを通し、それを容器内につなげ、容器内の空気を吸入しているものと考えられる。物質の破砕や、トレイの中の水が飛散る現象、金属が磁化する現象は、実験台の裏に超音波振動機や、強力な磁石を取り付けたものと考えられる。証拠としてこれらの実験の際には、なぜか通常使用されている実験台が変更されており、薄いベニヤ板の上で実験が行われている(通常使用している厚みのある実験台では振動や磁力が届きにくいため)。またビデオに収められた映像は、すべて物体が浮き上がる瞬間のみの映像であり、ハチソンの発言にある「(飛び上がった物体は)しばらく実験室内を飛び回っていた」というシーンは、手持ちカメラでの撮影であるにも関わらず一切収められていない。 尚、実験装置の回路図や、実験室内の装置の配置図なども公表されており、多くの研究者が追試を行っているにもかかわらず、いっさいハチソン効果の再現には至っていない。
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