被虐待者への心理的ケア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 09:25 UTC 版)
まず、加害・被害関係の中に置かれたままの状況下では治療は成立しがたいことを肝に銘じ、被虐待者を安全が保証される場所・関係へと移したうえで、虐待の専門機関と連携を取り続けることが大切である。その際、虐待をされる側は何も悪くなく今後丁寧に支援・ケアをしていくということを心を込めて伝え、被虐待者をサポートする。 虐待をされたことが原因で、PTSDやトラウマの症状が出る場合が多い。 「PTSD#治療」も参照 「トラウマ#治療」も参照 また虐待は、気分障害、不安障害、様々なレベルでの解離など、様々な症状をも引き起こす。虐待を長期間受けると、虐待を受けた人の脳が萎縮し取り返しのつかないことが起きる。具体的には、東京福祉専門学校講師石坂わたるによると、落ち着きのなさ、多動、衝動が抑えられないなど、発達障碍児と極めて似た症状や問題行動に苦しむ子どももいる。治療については、「うつ病#治療」・「不安障害#治療」・「解離性障害#治療」を参照。 さらに、虐待をされるという体験は、強い恐怖や不安、怒りや抑うつ、無力感やあきらめ、孤立無援感などの否定的な感情をもたらすほか、自責感や罪悪感、自尊感情や自己評価の低下、安心感や信頼感の喪失など、否定的な認知を強める。また、対人関係、学習能力、日常生活における問題解決能力、感情調整や行動制御能力などにことごとく影響を及ぼし、心身の健全な発達を阻害する。これらへの心理的ケアについては、「心理療法の一覧」を参照。
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