藤井昇 (文学研究者)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 21:59 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動藤井 昇(ふじい のぼる、1925年(大正14年)11月28日 - 2003年(平成15年)4月12日)は、日本のラテン文学者。
東京府東京市芝区(現在の東京都港区)高輪に生まれる。妻妾同居の家庭で妾に育てられ、実母を慕う。
1942年、横浜ハリストス正教会で日本正教会の小野帰一主教により受洗。聖名はマトフェイ。1943年、慶應義塾普通部4年を修了、慶應義塾大学予科進学。1944年、三重県第一気象連隊に入隊。1948年、慶大文学部英文科卒、助手。商学部助教授、1966年教授、1974年同言語文化研究所教授、1991年定年、名誉教授。戦後、澤木興道に参禅、浄土真宗に帰依する。1973年、ホラティウス『歌章』その他により慶應義塾賞を受ける。江藤淳と親しかった。
著書
- 『ラテン文学のすすめ』講談社現代新書、1966年
- 『ローマ史ものがたり』わらび書房、1984年、新版1993年
- 『ラテン文学の周辺』わらび書房、1985年
翻訳
- 『世界文学全集 古典篇 ギリシャ・ローマ文学篇』「アエネーイス」ウェルギリウス作 (樋口勝彦共訳) 河出書房、1956年
- 『世界名詩集大成 第1 古代・中世篇』ギリシャ抒情詩(呉茂一、河底尚吾共訳)平凡社、1963年
- 『マールティアーリス詩選』 大学書林 語学文庫、1964年、第3版2004年
- ピエール・グリマル『ラテン文学史』(松原秀一共訳) 白水社 文庫クセジュ、1966年
- オウィディウス『恋の手ほどき アルス・アマートーリア』角川文庫、1971年
- ホラーティウス『歌章』現代思潮社、1973年
- チャールズ・セルトマン『古代の女たち』冨山房、1973年
- マールクス・ワレリウス・マールティアーリス『マールティアーリスのエピグランマタ』上・下、慶応義塾大学言語文化研究所、1973年 - 1978年
- 『世界のライト・ヴァース 太陽の半分と月の全部と』(桑名一博、池澤夏樹、米川良夫共編・訳、森本清彦絵) 書肆山田、1982年
- オウィディウス『恋の手ほどき 惚れた病の治療法』 わらび書房、1984年。訳著
- ユウェナーリス『サトゥラェ 諷刺詩』日中出版、1995年
参考
- 『ラテン文学の周辺』附載年譜
- 藤井昇氏死去 慶応大名誉教授 - ウェイバックマシン(2008年7月15日アーカイブ分)- 共同通信
- 藤井昇_(文学研究者)のページへのリンク