薬用としての人肉食
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 17:53 UTC 版)
「ヒトに由来する生薬」および「胎盤食」も参照 死者の血肉が強壮剤や媚薬になるとする考えも欧州はじめ世界中に見られ、これは族内食人の一環として説明する研究者もいる。人間のミイラには防腐処理剤に瀝青・ハーブ・スパイスが用いられ一種の漢方薬として不老不死や滋養強壮の薬効があると信じられていて、主に粉末としたものが薬として飲用され、日本にも薬として輸出されていた。また中国や日本では肝臓、胆嚢、脳を薬として摂取していた(例:刀剣の試し斬り役山田浅右衛門の人胆丸)。現在でも胎盤は健康や美容のために食されたり、医薬品として加工される(胎盤#産後の胎盤の利用を参照)。 ジャック・アタリやレヴィ=ストロース、鷲田小彌太らは、臓器移植(他者の臓器を取り出して別人の体に移植する行為)はカニバリズムのカテゴリーに含まれると主張している。臓器移植は経口摂取ではないものの、他人の体の一部を取り込む行為にはある種の不気味さを感じる人もあり、例えば吉本隆明は『私は臓器を提供しない』の中で、臓器移植には「人食いのイメージが強い」と記している。
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