薬剤耐性
【概要】 微生物も複製のたびに常にある程度の変異(=遺伝子の変化)を起こしているが、環境に適応したものが生き残る。低濃度の薬があるという環境に微生物がさらされると、その薬の効果をはねかえす性質をもった変異が選ばれる。ついに通常濃度でもはね返して増殖できる性質を獲得すると、もはや薬が効かなくなり、薬剤耐性になったと言う。反対語は感受性。
【詳しく】 薬剤耐性には3つのレベルがある。「遺伝子型の耐性」は、薬剤耐性に関連した遺伝子変異がみられるものを言う。「表現型の耐性」は、試験管の中で薬をまぜてHIVを増殖させ、薬があるのにHIVが抑えきれないという結果がみられるものを言う。「臨床的な耐性」は、患者が服薬して最適の薬剤濃度になっているのに、HIVが減らずに増殖し続けているものを言う。 非核酸系逆転写酵素阻害剤のように、たった1箇所の遺伝子変化でも完全に耐性になる場合があり、プロテアーゼ阻害剤のように、何カ所もの遺伝子変異の組み合わせで、ようやく耐性と言える場合もある。 一般に、薬剤耐性HIVは増殖力が弱く、免疫不全が進行しない場合がかなりみられる。その意味では、耐性だからと言って治療を諦めるのは得策とは言えない。

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