菊人形の作り方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 17:52 UTC 版)
菊人形は、専用の菊を栽培する園芸師、人形の制作をおこなう人形師、人形に菊を着付ける菊師 の分業で、以下のような流れで制作される。 菊は人形に着付ける際に作業しやすいように茎が細くて長く、しなやかで、折れにくい「人形菊」と呼ばれる小菊が用いられる。栽培は1年がかりでおこなわれ、菊人形の展示の期間に開花を合わせるため、人工照明も使用し、日照時間を調整する工夫も行われる。 下絵をもとに角材を使用し、人形の骨格を形作る。ついで、衣装の下地となる胴殻(どうがら)を作る、竹ひごの芯に藁を糸で巻き付け固定した巻藁(まきわら)を使用し、衣装の立体的な形状を作りながら、角材の骨格に取付けていく。 胴殻に菊を着付けていく、これを菊付けという。切り花ではなく、根付きのまま数株ずつまとめ、水苔で根巻きし、い草や藁でしばった束を用いる。胴殻の中に根の部分を固定し、花の部分をい草や紙紐で表面に止めていく。一体に付き小菊が120~150株が必要という。 人物の年齢や身分、その場面の感情などを考慮し、首(かしら)を制作、手足、小道具(鎧、扇子、帯など)を胴殻に取り付ける。 完成した菊人形は、1日1回根巻きに水やりし、10日から2週間程度で菊の付け替えをおこなう。 菊人形の制作1、胴殻 菊人形の制作2、菊付け 菊人形の制作3、首など取付け 人形に菊付けをおこなう菊師
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