航空機のピトー管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 07:34 UTC 版)
ある程度以上高速の航空機において、ピトー管は最も一般的な速度計測手段である(飛行船程度の低速が計測下限)。他の航空機に比べ相対的に揚力の少ないジェット機では、特に着陸時の対気速度が分からないのは致命的となるので、離陸前にピトー管カバー取り外しの確認作業が重要である。実際に1996年には、アエロペルーのボーイング757が機体洗浄の際にピトー管に取り付けられたマスキングを外さないまま離陸してしまったために正しい高度・速度が検出できなくなって墜落してしまうという事故(アエロペルー603便墜落事故)が起きている。 ピトー静圧管若しくは純粋なピトー管と胴体側面などに設けられた静圧孔とからなる。こうした、速度や高度(静圧は高度指示にも利用される)といった非常に重要なシステムでは、複数のピトー管と複数の計器を互いに独立して設け、冗長性が高められていることが多い。 また、当然のことながら正確な速度を計測できないので全圧をピトー管からセンサや計器へと導くチューブやホースにはリーク(漏れ)があってはならない。
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