胎児の週齢による差異(影響の時期特異性)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 03:14 UTC 版)
「放射線障害」の記事における「胎児の週齢による差異(影響の時期特異性)」の解説
細胞死に関する放射線感受性は細胞分裂を繰り返す頻度が高い細胞ほど高い(ベルゴニー・トリボンドーの法則)ため、胎児は最も放射線感受性の高い個体である。胎児の発生・分化は次の3つの時期に区分されるが、放射線被曝の影響はその時期に応じて異なる。 着床前期(pre-implantation period):受精後約9日間 器官形成期(organogenetic period):受精後2-8週間 胎児期(fetal period):受精後8週以降 障害を来す線量は、着床前期に閾線量0.05〜0.1Gyで胎児死亡(embryonic death/fetal death)、器官形成期に閾線量0.1Gyで奇形(malformation)、胎児期に閾線量0.12〜0.2Gyで精神発達遅滞(mental retardation)である(ただし、精神発達遅滞は週期によって発生率が異なる)。 妊娠2か月以降の胎児は既に臓器が形成された後であるから、奇形発生はないとされている。ただし、胎児期以降の被曝について、小児白血病などの確率的影響が有意に高い(成人に比べて2-3倍と言われる)ことが知られている。
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