肺のびまん性病変
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 00:13 UTC 版)
「コンピュータ断層撮影」の記事における「肺のびまん性病変」の解説
気腔性陰影 気腔性陰影、肺胞性陰影、細葉性陰影、浸潤陰影といわれる。肺胞腔をほぼ完全に液体やその他の物質が占拠した状態である。気管支内の空気による透亮像(air bronchogram)を伴うことが多い。辺縁不明瞭な癒合しやすい陰影が基本である。肺胞腔の占拠が不十分であり、空気がある程度残っていると透過度が増してすりガラス陰影に近くなる。 すりガラス陰影ground glass opacity (GGO) 淡い濃度上昇で既存の肺血管が透見される陰影をすりガラス陰影という。具体的には、不完全な肺胞腔占拠あるいは肺胞壁の肥厚によって起こる。不完全な肺胞腔占拠の場合、気腔の空気が減少し、それ以外のものが増加したため、平均濃度は増加するが空気も混ざっているため気腔性陰影ほどは濃度は高くならないというメカニズムで発生する。肺胞蛋白症、腺癌の周辺部、細気管支肺胞上皮癌、早期あるいは治癒期の肺水腫、肺出血や肺炎で見られる。肺胞壁の肥厚は肺胞間隔壁の肥厚によって起こる。びまん性肥厚と結節性肥厚と分布によって分類があり、びまん性肥厚は間質性肺炎で見られ、結節性肥厚はサルコイドーシス、ヒスチオサイトーシスX、過敏性肺炎、結核といった肉芽腫性疾患で見られる。 細気管支壁、細血管壁肥厚 細気管支壁が肥厚するために点状あるいは分枝した明瞭な像が小葉中心性に認められるものでびまん性汎細気管支炎に典型例を見る。癌性リンパ管症でもこれらの所見はあるが肺胞壁の肥厚なども見られるため区別される。 小葉中心性陰影 小葉間隔壁肥厚像 胸膜に直交する異常線状陰影。間質性病変に付随する。 気管支壁肥厚像 蜂窩肺 線維化した肺の終末象である。 肺気腫 終末細気管支より末梢の気腔の異常な拡張である。
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