翻訳伸長における機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/29 05:16 UTC 版)
EF-Gは、ポリペプチド鎖が伸長するごとに、tRNAとmRNAのリボソーム下流へのトランスロケーションを触媒する。ポリペプチド鎖の伸長過程では、 peptidyl transferase center (PTC) がアミノ酸間のペプチド結合の形成を触媒し、P部位のtRNAに結合したポリペプチド鎖をA部位のtRNAへ移動する。その結果、リボソームの50Sと30Sサブユニットは互いに関して約7° 回転できるようになる。サブユニットの回転はA部位とP部位のtRNAの3' 末端部分の移動と共役しており、A部位のtRNAは50SサブユニットのP部位へ、P部位のtRNAは50SサブユニットのE部位へ、それぞれ移動するが、30Sサブユニット側のアンチコドンループは移動しないままである。この、1つのtRNAがA/P部位のハイブリッド、もう1つのtRNAがP/E部位のハイブリッドの状態となった、回転したリボソーム中間体がGTPを結合したEF-Gの基質となる。 EF-GはGTPアーゼであるので、回転したリボソームのA部位の近傍にGTPが結合した状態で結合し、GTPをGDPとリン酸に加水分解してリン酸を放出する。 GTP + H 2 O ⟶ GDP + P i {\displaystyle {\ce {GTP + H2O -> GDP + P_{i}}}} GTPの加水分解はEF-Gに大きなコンフォメーション変化を引き起こし、A/P tRNAが完全にP部位を占め、P/E tRNAが完全にE部位を占める (そしてリボソームから出ていく) ようにし、mRNAをリボソームに関して3ヌクレオチド分だけ下流に移動させる。その後、GDPが結合したEF-Gはリボソームから解離し、A部位は空となって伸長のサイクルが再開される。
※この「翻訳伸長における機能」の解説は、「EF-G」の解説の一部です。
「翻訳伸長における機能」を含む「EF-G」の記事については、「EF-G」の概要を参照ください。
- 翻訳伸長における機能のページへのリンク