美術評論『キュビスムの画家たち』
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「ギヨーム・アポリネール」の記事における「美術評論『キュビスムの画家たち』」の解説
『キュビスムの画家たち』は、「新しい画家たち」としてピカソ、ブラック、ローランサン、ジャン・メッツァンジェ、アルベール・グレーズ、フアン・グリス、フェルナン・レジェ、フランシス・ピカビア、マルセル・デュシャンを紹介している。アポリネールは本書によって美術史上の革新運動の主導者・指導者として位置付けられることになるが、同時にまた、副題「美の省察」が示すように、本書はキュビスムの画家論・作品論にとどまらず、アポリネール自身の芸術論・詩論でもある。 だが、一方で、このような独自の芸術論・詩論に基づいてキュビスムをあまりにも強く支持したために、翌1914年、1910年5月以降担当していた『ラントランジジャン(フランス語版)(非妥協者)』の芸術欄が廃止されることになった。サルモンの仲介で参加した同紙は、当時、パリで最も販売部数の多い夕刊紙であり、アンドレ・ビリー、アラン=フルニエ、マックス・ジャコブらも寄稿していた。いわば、美術評論家としての地位を確立することになった重要な活動の場だったのである。 さらに同じ1913年に発表した冊子『未来派の反伝統 ― 宣言・総括』 は、イタリア未来派に対するアポリネールの擁護か批判か、解釈が分かれているが、少なくとも評論家アポリネールは、未来派をキュビスムに対立する運動として位置づけており、一方で個人的にはフィリッポ・トンマーゾ・マリネッティやウンベルト・ボッチョーニを評価していたと考えられる。
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