ぬき‐にしき【▽緯錦】
読み方:ぬきにしき
よこ‐にしき【▽緯錦】
緯錦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/01 21:03 UTC 版)
多色の緯糸と単色の経糸を用いた錦。多色の緯糸を一組とし、このうちいずれかの糸を浮かせ、他を沈めることによって地と文様とを表す。緯錦では、経糸に母経(おもだて)と陰経(かげだて)の2種類が用いられる。母経は緯糸とともに地を構成するための糸であり、陰経は、緯糸のうちの1色のみを表面に出し、他の糸を沈める役割をする糸である。経錦が整経の段階で色数が決まってしまうのに対し、緯錦では製織の過程で多彩な色糸を用いることが可能であり、大型の文様も織れることから、盛唐期以降の中国では経錦に代わって織られるようになった。法隆寺裂には緯錦はみられない。正倉院裂には経錦もみられるが、緯錦の方が主になっている。琵琶袋の裂で、唐からの将来品と考えられている「縹地大唐花文錦」(はなだじだいからはなもんのにしき、正倉院宝物)、錦張りの肘掛である「紫地鳳形錦御軾」(むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく、正倉院宝物)などが代表作である。
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