緊急出動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/06 20:07 UTC 版)
海翔丸の通常任務は、あくまでも浚渫であり、油回収作業に従事するのは大臣による緊急出動命令が発令された場合のみである。2002年、島根県沖で発生した船舶衝突事故に伴って流出した油を回収するために緊急出動した実績があるほか、油回収作業ではないが、東日本大震災発生時、被災地への緊急援助物資を届けるために緊急出動した。 東日本大震災が発生した3月11日は金曜日夕方であり、船員たちにとっては1週間ぶりに我が家に帰る日であった。本船は1週間の勤務を終えて食料も水も燃料も使い果たした状態であり、それらの補給は月曜日早朝に行われる予定であったのを、金曜日夜緊急補給を行うとともに、九州地方整備局管内の事務所に備蓄していた保存食や水、寝具などを積み込んだのち、土曜日早朝被災地へ向けて出発した。 途中横須賀港に寄港し、さらなる援助物資の積み込みを行い、3月17日に仙台塩釜港に入港、支援物資のほか、給水車への給水、作業船への給油活動などを行った。その後再度横須賀港へ回航、再び援助物資などを積み込んで即日福島県小名浜港へ向かった。同24日小名浜港入港、翌25日相馬港へ着岸し、それぞれ支援物資を届けた後、28日に北九州港へ帰港した。回航中相馬沖にて津波の被災者とみられる遺体を2体発見、海上保安部に引き渡している。
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