大谷古墳 (和歌山市)とは? わかりやすく解説

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大谷古墳 (和歌山市)

(紀伊大谷古墳 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/06 01:09 UTC 版)

大谷古墳

墳丘(左に前方部、右奥に後円部)
所在地 和歌山県和歌山市大谷
位置 北緯34度15分42.5秒 東経135度10分34.5秒 / 北緯34.261806度 東経135.176250度 / 34.261806; 135.176250座標: 北緯34度15分42.5秒 東経135度10分34.5秒 / 北緯34.261806度 東経135.176250度 / 34.261806; 135.176250
形状 前方後円墳
規模 全長67m、高さ6~10m
出土品 素文鏡・ガラス勾玉
衝角付冑・馬冑
円筒埴輪
築造時期 5世紀後期~6世紀前期
被葬者 紀氏
史跡 1978年昭和53年)国指定
有形文化財 出土品(国の重要文化財
地図
大谷古墳
和歌山県内の位置
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大谷古墳(おおたにこふん)は、和歌山県和歌山市大谷にある古墳。形状は前方後円墳。国の史跡に指定されている。

概要

築造時期は5世紀後半から6世紀初頭と考えられている。

紀ノ川河口地帯右岸、和泉山脈の南側山麓に築造され、前方部を南西に向ける。

発掘調査は、和歌山市教育委員会が京都大学研究室に委嘱し、1957年1958年にかけて行われた。1978年11月5日、国の史跡に指定された。主体部出土遺物は、1982年6月5日、重要文化財に一括指定された。

規模・形状

  • 全長 - 67 m
  • 高さ - 6〜10 m
  • 前方部の幅 - 48 m
  • 後円部の直径 - 30 m

埴輪列が確認されている。

埋葬施設

後円部から阿蘇山凝灰岩製の組合せ式家形石棺が出土している。石棺は、底石、4枚の側石、2枚繋ぎの蓋石で出来ている。蓋石は、屋根形をしており、2.96m×1.6mの大きさである。両側に6個の環状縄突起をつくってある。

被葬者

20歳から30歳くらいの人骨が出土している。紀氏一族の武将の奥都城(おくつき)と推定されている。紀ノ川下流域における5~6世紀の首長の墳墓は、左岸にある岩橋千塚古墳群であると考えられているので、本古墳の被葬者は別の首長と考えられる[1]

副葬品

馬冑(国の重要文化財
和歌山市立博物館蔵、大阪歴史博物館企画展示時に撮影。
垂飾付耳飾(国の重要文化財)
和歌山市立博物館蔵、大阪歴史博物館企画展示時に撮影。

大陸文化との関係が注目される[1]

  • 石棺内出土品
    • 素文鏡(そもんきょう) - 小型の銅鏡で、直径26mm、31mm、34mmの3種類。
    • ガラス勾玉(まがたま)21個 - 装身具で、胴部が弧状に曲がっている。半透明の責緑色。長さは、22~23mm。
    • 衝角付冑(てつしょうかくつきかぶと)1頭 - 横矧板鋲留式
  • 石棺外出土品
    • 馬冑(ばちゅう)頬当て1頭 - 数枚の鉄板を鋲留めし、半筒形の面覆部、庇、頬当て。完成品出土は、日本唯一。(将軍山古墳で一部が出土)
  • その他
    • 円筒埴輪 - 後円部の後方に並べられていた。発掘調査で39個出土したが、それ以前に7個採集されていた。ほとんどが、赤褐色の円筒埴輪である。
    • 石棺 - 後円部に竪穴式石室を設け、屋根形の蓋をもつ組合式石棺

文化財

重要文化財(国指定)

  • 紀伊大谷古墳出土品 一括(考古資料) - 日本国(文化庁)所有、和歌山市立博物館保管。1982年(昭和57年)6月5日指定[2]

国の史跡

  • 大谷古墳 - 1978年(昭和53年)11月15日指定[3]

脚注

  1. ^ a b 吉田(1991) 96ページ
  2. ^ 紀伊大谷古墳出土品 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  3. ^ 大谷古墳 - 国指定文化財等データベース(文化庁

参考文献

  • 吉田宣夫、文化庁文化財保護部史跡研究会監修『大谷古墳/図説 日本の史跡 第3巻 原始3』同朋舎出版、1991年。ISBN 978-4-8104-0926-0 

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