第三者行為との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:15 UTC 版)
疾病や負傷が交通事故などの第三者行為を原因とする場合、ただちに健康保険が適用できると言うわけではない。第三者行為による傷病に対して患者本人が健康保険による給付を希望する場合、第三者行為による被害の届出(通称「第三者行為の届出」)を行うことで、保険者による医療給付が行われる。保険者が給付した医療費は、求償を介して加害者から保険者へと弁済されるものと想定されている。具体的には、保険者は、その給付した金額を限度として、第三者行為の相手方に対する損害賠償請求権を代位取得する(第57条第1項)。第三者行為届の届出を行う義務者は被保険者で(患者本人とは必ずしも一致しない)、遅滞なく提出するものと定められている(施行規則第65条)。 第三者行為による傷病の場合には、疾病等の完治や症状固定などにより保険給付が終結するまでは、相手方との示談等を行うべきではなく、その旨、保険者からも指導がある。それは、被害者と相手方との示談等(口約束を含む)を先に行なうことにより、被害者の持つ損害賠償請求権が確定(限定)されてしまい、保険者が代位取得できる賠償請求権も限定されてしまうからである。訴訟外の先行賠償により(自動車保険の人身傷害など)賠償額を受領し、または訴訟等により賠償額が確定しその受領を受けた場合には、その受領額を限度として健康保険からの給付に対して支給調整が行われる(第57条第2項)。なお、第三者行為と各種保険との関係については、労災保険、公務災害による保険、介護保険においても同様である。
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