童話に掲載したことへの非難と第二版以降での削除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 01:50 UTC 版)
「子どもたちが屠殺ごっこをした話」の記事における「童話に掲載したことへの非難と第二版以降での削除」の解説
アヒム・フォン・アルニムは、ヴィルヘルム・グリムに対して、「すでに私は、子どもが別の子を殺すという作品について、或る母親が、とても自分の子どもたちにはこの話は聞かせられない、と嘆いているのを聞いたことがあります」と非難しているが、これに対してヴィルヘルム・グリムは、「私は子供の頃、母から屠殺ごっこの話を聞いたことがありますが、それで私は遊ぶとき十分気をつけるようになりました」と反論している。 ヴィルヘルムにとって書物から話をとる際の基準は「最終的に口伝えに由来するという主張あるいは推測、注目に価する内容、適度に芸術的な語り方、この三つである」とされている。しかし、この『子供たちが屠殺ごっこをした話』はいずれも基準を満たしており、削除事由はこの判断基準によるものではない上、ヴィルヘルムのアルニムに対する反論や、削除記号が目次欄にはあって、本文欄には記載がなかったこと(目次欄にはヤーコプ・グリムが記入し、本文欄にはヴィルヘルム・グリムが記入したとされている)などから、ヴィルヘルムは削除に積極的ではなく、削除事由はアルニムの指摘した「残酷性」への非難に対抗しきれなかったからとされている。また、この非難には「産業革命の進行によって急激に起こった家族構造の変化」という時代背景があるという指摘がある。
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