穴あき五銭錫貨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 15:37 UTC 版)
「臨時補助貨幣#昭和19年制定の錫貨幣」も参照 品位:錫93%、亜鉛7% 量目:1.95g 直径:17mm 孔径:4mm 図柄:菊花紋章、桐紋、瑞雲、「五錢」(表面)、「大日本」、年号(裏面) 周囲:平滑 発行開始:1944年(昭和19年) 当時の著しい戦況悪化による物資不足に伴い、アルミニウムを貨幣素材とする余裕もなくなったことから、当時の日本が占領下においた東南アジアで豊富に産出した錫を用いて製造したものである。表裏のデザインは同時期の十銭錫貨と同じとなっている。錫に少量の亜鉛を混ぜた組成も十銭錫貨と同じで、長期間の使用にはとても耐えられないほど軟らかく、本来貨幣には適さない金属であったが、当時もはや貨幣素材としての適性を考慮する余裕がなかったことから錫貨がやむなく発行された。戦況が更に悪化すると錫の調達も困難な状況になったことから、穴あき五銭錫貨は十銭錫貨と共に発行開始と同年の1944年(昭和19年)のうちに製造中止となり、日本の造幣局は辛うじて一銭錫貨のみ製造を続けるという状況となり、5銭の法定通貨としては紙幣(日本銀行券)であるい五錢券が新たに製造・発行されることになった。
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