目的審査の基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 03:42 UTC 版)
目的審査とは制限の目的が合憲か否かの審査をいう。 合理性の基準制限の対象となる行為と害悪発生との間に合理的関連性があれば足りるとする基準で、一般に経済的自由について妥当する基準とされており、表現の自由についてはより密接な関連性が必要とされている。 明白かつ現在の危険の原則1919年のアメリカ連邦最高裁判決においてホームズ裁判官が示した「言論を規制しうるのは、それが、政府が防止する権限をもつ実質的害悪をもたらす、明白にしてさし迫った危険の存する場合に限られる」とする法理をいう。 明白かつ現在の危険の原則はもともと合憲性判定基準として用いられていたものではなく、表現行為を処罰する法令に対する限定解釈の手法にすぎなかったが、1940年代に連邦最高裁多数派によって法令自体の合憲性判定基準として認められるようになったものである。 日本の下級審判決には明白かつ現在の危険の原則を採用したとみられるものがある(東京地判昭和42・3・27判時493号72頁など)。なお、最高裁では公職選挙法第138条第1項について「害悪の生ずる明白にして現在の危険があると認められるもののみを禁止しているのではない」として適用を否定した判例がある(最判昭和42・11・21刑集21巻9号1245頁)。
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