白骨鬼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/26 05:40 UTC 版)
思うように作品が書けず、苦悩の末に自殺を図ろうとした探偵小説家の私は、思いがけず自殺を阻まれる。救ってくれた塚本直を命の恩人と慕う私であったが、彼の奇癖を知り敬遠するようになる。間もなく、彼は自殺をしてしまう。私の友人・萩原朔太郎の詩の一篇「天上縊死」になぞらえたように。しかし、一向に遺体は揚がらず、不審な点もいくつか見つかり、私は探偵趣味を持つ朔太郎と共に事件を調べ始めてゆく。
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白骨鬼
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【私】/江戸川 乱歩(えどがわ らんぽ) 作家。思うように小説が書けず、自殺を試みようとしたところを塚本直に助けられる。本名及び筆名を隠し、廣宇雷太(ひろう らいた)という偽名(本名・平井太郎のアナグラム)で投宿し、直と再会する。 塚本 直(つかもと ただし) 浜風荘に宿泊している瓜実顔の美青年。高校生。自殺を図ろうとしていた【私】を助ける。昼間は普通に過ごすが、夜は女装し月に恋い焦がれる姿から、旅館の従業員から「月恋病の患者」と気味悪がられている。萩原朔太郎の『月に吠える』を読んでいる。 赤松 紋太郎(あかまつ もんたろう) 紀伊白浜・田辺警察署の警察官。 奥村 源造(おくむら げんぞう) 塚本の死体の第一発見者。屋台売り。 塚本 大造(つかもと だいぞう) 直の父親。愛知県議。 塚本 均(つかもと ひとし) 直の双子の弟。【私】に直の幽霊と間違えられる。 北川 雪枝(きたがわ ゆきえ) 浜風荘での直の様子を聞かせて欲しい、と【私】に面会を求めてきた女性。塚本兄弟とは幼なじみ。均との縁談が決まっていたが、直の方が好きだった。 萩原 朔太郎(はぎわら さくたろう) 詩人。【私】の数少ない友人。自分の詩をモチーフに自殺されたのは不愉快だとして、事件の真相解明を【私】に持ちかける。
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