発音および表記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 00:59 UTC 版)
以下、*を付した項目は古典語でも見られた現象(ただし、古典語では時折見られる程度だったのが、中世語では著しく増えている)。ほか、多くの特徴は俗ラテン語に見られた特徴を受け継いだ形となっている。 長短母音の合流 (綴りには現れない変化) 二重母音の単母音化、単母音との混同 二重母音 ae と oe は単母音 /e/ として発音され、e あるいは ę (e caudata 、尻尾つき e)と書かれる。 例: puellae → puelle, poena → pena 逆に e が ae(æ)、oe(œ) と書かれる 例: ecclēsia → aecclesia, cēna → coena 前舌母音の前の C, G の口蓋化 (綴りには現れない変化) /e/ の母音(e, ae, oe)および /i/ の母音(i, y)の前の c, g が口蓋化し、それぞれ [ʧ], [ʤ] と発音される TI の破擦音化 s, t, x に先行されない、母音前の ti は、[ʦi] と発音され、ci と表記される。 例: dīvitiae → divicie, tertius → tercius, vitium → vicium I と Y の混同 例: īsidōrus → Ysidorus, Aegyptus → Egiptus, ocius → ocyus, silva → sylva H と無音との混同 無音化した h が書かれない、あるいは逆に、本来はない位置(特に r の近く)に h が書かれる 例: mihi → mi, habēre → abere, corōna → chorona * H と CH の混同 母音間の h が /k/ として扱われ、ch と書かれる 例: mihi → michi 二重子音と単子音の混同 例: tranquillitās → tranquilitas, Āfrica → Affrica わたり音の挿入 mn, mt など、鼻音+歯茎音の間に破裂音が入る 例: alumnus → alumpnus, somnus → sompnus V の摩擦音化 (綴りには現れない変化) v は [v] として発音される。
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