疾患や健康状態との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/24 02:45 UTC 版)
PZPはさまざまな疾患や健康状態と関係していることが観察されている。 PZPレベルの上昇と後のアルツハイマー病の発症との関連が観察されており、増加したPZPは脳に由来している可能性がある。さらに剖検では、アルツハイマー病患者の大脳皮質でのPZPの免疫反応性は老人斑と関係したミクログリアで特異的にみられ、一部の神経細胞でもみられた。 HIV-1に感染した患者ではPZPレベルの上昇がみられる。PZPレベルは他の状況でも上昇するため、HIV-1の診断に利用できるだけの特異性はないが、治療や疾患の進行に対応したPZPレベルの経時変化が観察されれば、予後のマーカーとしての可能性がある。 2018年の研究では、1型糖尿病の患者では血清中のPZPがダウンレギュレーションされていることが観察された。 気管支拡張症の重症度と喀痰中のPZPレベルの間には有意な相関がみられる。 マウスの血清を用いた、炎症性腸疾患の診断におけるPZPなどのタンパク質の有用性に関する研究では、PZPは複合バイオマーカーとして利用可能な6つのタンパク質の1つとして提案された。 乳がん患者ではPZPの発現量には有意差がないことが判明したため、乳がんのバイオマーカーとしては不適格であると考えられる。 体外受精とPZPの発現との関連も研究されており、PZPは体外受精の過程でアップレギュレーションされることが示された。 またPZPは、体外受精時の卵巣刺激反応不良群(POR)のバイオマーカーとなる可能性のあるタンパク質の一つであることが示された。 PZP濃度の低さは、妊娠初期の流産とも関連づけられている。
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