理論熱効率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 03:31 UTC 版)
高低差のある斜面を水が流れ落ちるのと同じように、熱も高温側から低温側に移動する。その移動により、実際に熱機関で利用可能な仕事が発生する。水力発電所は、高低差を利用して水を流しながら発電するが、熱機関も同様に、熱を移動させながらでないと作動しない。 カルノーサイクルの理論熱効率(カルノー効率) η t h {\displaystyle \eta _{\mathrm {th} }} は、2つの熱源の温度のみで決まり、 η t h ≡ W Q H = 1 − T L T H {\displaystyle \eta _{\mathrm {th} }\equiv {\frac {W}{Q_{\mathrm {H} }}}=1-{\frac {T_{\mathrm {L} }}{T_{\mathrm {H} }}}} となる。ここでW は有効仕事: W ≡ Q H − Q L {\displaystyle W\equiv Q_{\mathrm {H} }-Q_{\mathrm {L} }\ } である。 これは、理想気体による等温膨張において、高温・低温部それぞれの体積変化による仕事量を計算し、その比を取ると、 Q L Q H = T L T H {\displaystyle {\frac {Q_{\mathrm {L} }}{Q_{\mathrm {H} }}}={\frac {T_{\mathrm {L} }}{T_{\mathrm {H} }}}} となることから導かれる。 このことから低温熱源の温度が絶対零度ならば熱効率は1となり、熱を仕事に完全に転換できる第二種永久機関が作れることになるが、実際には様々な理由から不可能であることが証明されている(断熱膨張を無限大まで行わねばならないこと、絶対零度に到達することは実際には不可能であること)。 エントロピー変化は、 Δ S H = Q H T H , Δ S L = − Q L T L {\displaystyle \Delta S_{\mathrm {H} }={\frac {Q_{\mathrm {H} }}{T_{\mathrm {H} }}},\quad \Delta S_{\mathrm {L} }=-{\frac {Q_{\mathrm {L} }}{T_{\mathrm {L} }}}} であり、さきの熱効率の関係式から全サイクルでは差し引き 0 となる。
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理論熱効率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 06:29 UTC 版)
WP = (1 - m1 - m2) (h2 - h1) WT = h3 - ha + hb - { h4 - m1 ( he1 - h4 ) - m2 ( he2 - h4 )} W = WT - WP = h3 - ha + hb - h4 + m1 ( he1 - h4 ) + m2 ( he2 - h4) - (1 - m1 - m2) (h2 - h1) Q1 + Qa = h3 - hf1 + hb - ha Q2 = ( 1 - m1 - m2 )( h4 - h1 ) ηth = W/ (Q1 + Qa) = { h3 - ha + hb - h4 + m1 ( he1 - h4 ) + m2 ( he2 - h4) - WP } / (h3 - hf1 + hb - ha) 給水ポンプの消費する仕事を無視すると ηth = {h3 - h4 + m1 ( he1 - h4 ) + m2 ( he2 - h4)} / (h3 - hf1 + hb - ha) よって、n段抽気の場合を記述すると。 η t h = ( h 3 − h 4 ) − ∑ i = 1 n m i ( h e i − h 4 ) h 3 − h f 1 + h b − h a {\displaystyle \eta _{th}={\frac {(h_{3}-h_{4})-\sum _{i=1}^{n}m_{i}(h_{ei}-h_{4})}{h_{3}-h_{f1}+h_{b}-h_{a}}}} ηth : 理論熱効率 W : 有効仕事 WT : タービンのする仕事 WP : 給水ポンプの消費する仕事h : 気体のエンタルピー T : 絶対温度 P : 気体の圧力
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